令和4年1月1日から変わる健康保険の任意継続の制度
今年もいよいよ年末まであと数日ですね。
今後も色々な物が値上がり予定になっておりますので、お家の大掃除が早めに終わって時間が空いた方は是非家計の確認も一緒にしてみてください。
令和4年1月1日から健康保険の任意継続の制度も変更になる為、本日はそのご紹介です。
退職後、次の会社に入社するまで1日でも空いている場合は健康保険の切り替え手続きも必要です。切り替えの方法には“国民健康保険に加入する”・“家族の社会保険の扶養に入る”・“これまでの勤務先で加入していた健康保険を任意継続する”の3つがあります。
退職間際は忙しくなるかと思いますし、変更の手続きには期限もありますので年末年始でゆっくりできる時間がある方は早めに家族で確認をしておきましょう。
国民健康保険
国民健康保険の保険料を算出する基準は、前年(1月~12月)の所得を基に自治体の基準で計算される為、上限はありますが退職後1年目の場合保険料が高くなることもあります。
また、国民健康保険の場合は扶養家族の扱いはありませんので今までの会社で加入していた健康保険とは違い家族の人数に応じた保険料がかかります。
(手続き期限)
退職する場合で国民健康保険に加入をする場合は退職後14日以内に手続きが必要になります。
手続きをする場所は居住地の市区町村役所の健康保険窓口となります。
(必要書類)
- 健康保険資格喪失証明書
- 各市町村で定められた届出書
- 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑
家族の扶養に入る場合
家族の健康保険の扶養に入る場合は保険料の負担はありませんが条件に当てはまらないと加入はできません。条件は保険組合によって違うため扶養に入る方の健康保険組合に事前に確認しておきましょう。
条件の目安
- 扶養に入る人の年収が130万円未満(60歳以上、またはおおむね障害厚生年金を受給する程度の障害者の場合は、180万円未満))
- 扶養の入る人の年収が被保険者の年収の半分未満の場合
- 健康保険の被保険者期間が継続して2カ月以上ある
- 資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に申請手続き必要な場合あり
など
(手続き期限)
出来るだけ早く手続きが必要ですが、退職直後の場合条件に当てはまらない場合もありますので早めに確認をしましょう。手続きをする場所は扶養に入る家族の勤務先となります。
(必要書類)
- 健康保険被扶養者異動届
- 世帯全員の住民票(被保険者と別姓の場合)
- 源泉徴収票
- 退職証明書または離職票のコピー
- 失業保険や年金を受給している場合は、受領金額のわかるもののコピー
健康保険任意継続制度を利用する
健康保険の任意継続の制度は健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上ある方が、
退職日の翌日等から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出することで今までの健康保険に継続して2年間加入できる制度となります。
先ほどお伝えした通り、国民健康保険の保険料は退職後収入がなくなったとしても前年の所得で計算される為、保険料の負担が大きくなります。任意継続の制度はその負担を緩和するための制度となります。
※任意継続の保険料については事業主と半分ずつ負担していた保険料を退職後は自分で全額負担することになり、保険料を1日でも滞納した場合は資格を失います。
傷病手当金および出産手当金を除き、在職中に受けられる保険給付と同様の給付を原則受けることが出来き、家族も任意継続した保険の扶養となることができます。
手続きをする場所は退職する会社、もしくは健康保険組合(郵送も可)となります。
令和4年1月1日から保険料の決められ方と加入期間が変更になります。
【変更前:令和3年12月31日まで】
・保険料の決められ方:退職時等の給与(標準報酬月額)と健康保険組合に加入している全員の給与(標準報酬月額)を比較して低い方を基に計算され2年間保険料が変わりません。
・加入期間:2年間は脱退不可能
いったん任意継続被保険者になると、2年間は健康保険への加入(家族は扶養で加入)となるために資格を失うことが認められませんでした。
【変更前:令和4年1月1日~】
保険料の決められ方:今までの保険料の計算のされ方の他に健康保険組合が規約で定めた場合に例外が認められるようになった。(協会けんぽ以外の場合)
※退職時等の給与(標準報酬月額)と保険保険組合に加入している全員の給与(標準報酬月額)を比較して退職時等の給与(標準報酬月額)が高かったとしても、規約で定めていれば高い方の給与を基に保険料を決めることが可能になります。
※会社で働いていて健康保険に加入している場合、健康保険には2種類ありますので保険証の下の方に記載してある“保険者名称”の欄を確認しましょう。
- 〇〇健康保険組合(今回の改正に影響のある可能性のある方)
- 全国健康保険協会 〇〇支部 (今回の改正に影響がない方)
- 加入期間:任意継続に加入している本人からの申し出で脱退が可能になります。
来年からの変更によっては保険料が思っているより高くなることもありますので退職後にどちらの負担が大きくなるのかは早めに確認をしましょう。
年末年始にしっかり休める方も、お仕事の方もお身体に気を付けてよいお年をお迎えください。