令和4年から変わる住宅ローン控除と注意点

令和4年から変わる住宅ローン控除と注意点

2022年もスタートしましたね。今シーズンの冬も雪が多そうですので体調と足元に気を付けてお過ごしください。

昨年令和4年度の税制改正で住宅ローン控除が変更になる可能性があるとお伝えしましたが、実際に変更になりましたので今回はそのご説明です。

ローン控除についての詳しい内容は下記でご確認下さい。
https://media.ligare-fp.com/housing/566/

住宅ローンの控除制度をちょっとおさらい

住宅購入でローンを組む場合は、ローン控除(住宅借入金等特別控除)という制度を使うことができ、所得が一定金額以下の場合に利用できます。

この制度は、10年以上のローンを組んでお家を建てたり買ったり、大規模リフォームしたりした方が、翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告をすれば、当初10年間は払った所得税(一部住民税)を返してもらえる制度です。

※会社員の方も1年目は確定申告が必要になります。2年目からは源泉徴収が始まるので、個人での手続きは不要となります。
※自営業の方は毎年申告が必要です。

改正前の住宅ローン控除(13年適用の場合)

住宅ローン控除は住宅の種類によっても限度額が変わります。新型コロナウイルスの特例の13年控除が適用できた場合の表が下記の通りとなります。

※新築:R2.10~R3.9月・建売:R2.12~R3.11の期間に契約して下記の時期に入居した場合が13年の適用になります。

【改正前】 令和3年~令和4年に入居 控除期間
控除率 ローン残高の1% 13年
借入限度額 一般住宅 4000万限度(1年の上限40万)
認定住宅 5000万限度(1年の上限50万)
所得要件 3,000万以下

参照:令和4年度税制改正の大綱より作成

ローン控除を計算する場合は下記の様に計算をされておりました。

・1~10年目:年末ローン残高等×1%

一般の住宅の場合:1年毎の上限:40万円
長期優良住宅の場合:1年ごとの上限:50万円

・13年適用される場合の11年目~13年目

“年末ローン残高等×1%”か“建物の取得価格の2%÷3年”の比べてどちらか低い方

令和4年の税制改正の変更後の住宅ローン控除

令和4年度の住宅ローン控除は13年間の適用が4年延長となり、令和7年までとなりました。ただし、控除率が1%から0.7%へ下がりますし、所得要件は3,000万から2,000万へ下がります。入居期間によっても下記のように借入限度額が変更となりますので注意しましょう。

(入居時期が令和4年~令和5年の場合)

令和4年からは認定住宅の項目が細分化されそれぞれ限度額が違います。

【改正後】 令和3年~令和4年に入居
(改正前期間以降の契約)
控除期間
控除率 ローン残高の0.7% 12年
借入限度額 一般住宅 4,000万限度(1年の上限21万)
認定住宅 5,000万限度(1年の上限35万)
ZEH水準省エネ住宅 4,500万限度(1年の上限31.5万)
省エネ基準適合住宅 4,000万限度(1年の上限28万)
所得要件 2,000万以下

参照;令和4年度税制改正の大綱より作成

(入居時期が令和6年~令和7年の場合)

入居時期によって借入限度額の上限が違います。令和6年から令和7年に入居の場合で一般住宅を購入する場合は控除期間が10年になります。

※一定の省エネ性能が認められない一般住宅の場合は13年の適用になりませんし、登記簿上の建築日付が令和6年7月以降の場合はローン控除はなしになりますので注意をしましょう。

【改正後】 令和3年~令和4年に入居
(改正前期間以降の契約)
控除期間
控除率 ローン残高の0.7%  
借入限度額 一般住宅 2,000万限度(1年の上限14万) 10年
認定住宅 4,500万限度(1年の上限31.5万) 13年
ZEH水準省エネ住宅 3,500万限度(1年の上限24.5万)
省エネ基準適合住宅 3,000万限度(1年の上限21万)
所得要件 2,000万以下

参照;令和4年度税制改正の大綱より作成

※新型コロナウイルスの特例で13年適用になった場合にマンション等で床面積が40㎡以上50㎡未満の床面積の緩和がされる要件がありましたが、改正後も令和5年12月31日以前に建築確認を受けた場合で新築で購入し入居した場合も13年の特例は受けられますが、ローン控除を受ける年の所得が1,000万を超える場合はその年は適用されなくなります。

中古住宅の場合の住宅ローン控除

コロナウイルスの特例の住宅ローン控除の13年の適用も中古住宅の場合基本的に10年となっておりますので同じとなります。

※中古でも個人間ではなく、個人から不動産業者が購入した後で販売した場合で一定の条件の合う場合は中古住宅でも13年の適用となります。

【改正後】 令和4年~令和7年に入居 控除期間
控除率 ローン残高の0.7% 10年
借入限度額 一般住宅 2,000万限度(1年の上限40万)
認定住宅 3,000万限度(1年の上限50万)
所得要件 2,000万以下

参照;令和4年度税制改正の大綱より作成

他にも中古住宅を購入する場合の要件が下記の通りに変更になります。

【改正前】:築年数の要件

築20年以内の木造住宅および築25年以内の非耐火構造住宅

※“耐震基準適合証明書”・“既存住宅性能評価書”・“既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書”当の書類で耐震性が証明されれば適用となっておりました。

【改正後】:新耐震基準の要件に変更

築年数要件は撤廃されて令和4年度から“昭和57年以降に建築された新耐震基準適合住宅”で建築された中古住宅は住宅ローン控除の対象となります。

住宅ローン控除の住民税の限度額の変更

住宅ローン控除は納める所得税を返してくれる制度なので、改正前は住宅ローンの1%・改正後は0.7%の上限の枠があったとしても、その枠より自分の納める所得税が低ければ、自分の納める予定の所得税の額が上限となります。

ただし、ローン控除の枠が余っている場合、限度額はありますが一部住民税からも返してくれます。

今回の改正で住民税から返してくれる部分について変更になりました。

元々、平成21年1月1日~平成26年3月31日までの期間は所得税の課税所得の5%(最高9.75万が上限)となっておりましたが、平成25年の改正で平成26年4月1日~は得税の課税所得の7%(最高13.65万が上限)となっており、その制度が延長、再延長されたことで令和3年末までの期限となっておりました。

今回の改正で住民税から一部返してくれる制度自体は令和7年末まで4年延長されることになりましたが、所得税の課税所得の5%(最高9.75万が上限)に戻ります。

※令和4年から令和7年までに入居する場合が適用になります。

住宅ローン控除の提出書類の変更

住宅ローン控除を受けたい場合、添付書類に“住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書”および“新築工事の請負契約書の写し”等が必要になりますが、令和5年1月1日以降に居住用として入居する場合(令和6年1月1日以降に確定申告や年末調整をする場合)は確定申告や年末調整時に書類の添付がいらなくなります。

住宅資金贈与非課税限度額の変更

住宅を購入する場合の両親から贈与を受ける場合の贈与税が非課税になる制度も令和5年12月末まで延長となりましたが、限度額と年齢が引き下げとなります。

※成人年齢の変更に伴って受け取る側の年齢も引き下げになります。

※住宅資金の援助は配偶者の両親からは受け取れませんので注意をしましょう。

住宅の種類 改正前 改正後
令和3年12月末 令和4年1月1日 ~ 令和5年12月31日
一般住宅 1,000万 500万
認定住宅 1,500万 1,000万
受け取る側の年齢要件 20歳以上 18歳以上

参照;令和4年度税制改正の大綱より作成

購入する前にしっかり確認をしましょう

住宅ローン控除が変更になり、入居時期によっても変更があるといつ購入するのが一番得なのか?をついつい考えてしまうかと思いますが、住宅ローンの返済は長期間になります。 住宅購入時だけではなく、将来ご家族の状況が変わることも想定して返済が終わるまでしっかりと返済できる額がどれくらいなのか等も確認しながら購入をご検討下さい。

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