社会保険の対象者が拡大に!?(令和4年10月1日~)

社会保険の対象者が拡大に!?(令和4年10月1日~)

あっという間に8月もあともう少しで終わりですね。コロナ感染者も増えていますが、残暑もありますので体調に気を付けてお過ごしください。

2020年(令和2年)5月に“年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律”が成立し、厚生年金保険法・健康保険法が改正されました。

それによって年金の受け取り開始時期が60歳から70歳までだったものが75歳までに変更になったり、仕事をしながら年金を受け取っている場合の制度の変更があったり、年金手帳が廃止になり番号制になったり、確定拠出年金の加入可能年齢が見直しされたり等しています。

令和4年10月1日からは厚生年金保険・健康保険の特定適用事業所(会社)の範囲が拡大された上で、特定適用事業所(会社)で働くパート・アルバイト等の短時間で働く人の要件が一部変更になりますので本日はそのご説明です。

短時間労働者の被保険者要件の変更(令和4年10月1日施行開始)

まずは現在の要件は下記の通りとなります。
※下記の要件をすべて満たす場合、健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。

現在の要件:平成28年10月~令和4年9月30日まで

(企業規模の要件)

従業員数:常時500人超え

(短時間労働者の要件)

②週の所定労働時間が20時間以上であること
雇用期間が1年以上見込まれること
賃金の月額が88,000円以上であること
学生でないこと

企業規模要件って何?

企業規模要件は働く会社の規模の要件で、フルタイムで働く人と週の労働時間がフルタイムの労働者の3/4以上の短期で働く人の合計人数で判断されます。

※従業員は正社員、契約社員、パートタイマー、アルバイトなどの名称を問わず、1週間の所定労働時間および1月の所定労働日数が通常の労働者の3/4以上ある人が該当します。

月ごとに従業員数をカウントして直近12か月のうち6か月で基準を上回ったら適用対象となり、一度適用対象となったら従業員数が基準を下回っても引き続き適用となりますが、被保険者の3/4の同意があれば対象外とすることもできます。

※業員数のカウントは法人の場合は同一の法人番号の全事業所単位で行い、個人事業主なら個別の事業所単位で行います。

変更後の要件:令和4年10月1日~

変更後の要件と内容は下記の通りとなります。変更していない内容も含めて確認しておきましょう。

(企業規模の要件)

➀従業員数:常時100人超え
※今回常時500人超えから常時100人超に変更になりましたが、令和6年10月以降は常時50人超にさらに変更されます

(短時間労働者の要件)

②週の所定労働時間が20時間以上であること
(まずは週20時間以上労働者への適用を優先する為に変更なしとなりました。)

週20時間の判定は基本的に契約上の所定労働時間によって行われる為に、臨時に生じた残業等を含みません。

※現在の制度では実際に働いた労働時間が2か月連続で週20時間以上となり、それ以降も引き続くと見込まれる場合には3か月目から保険加入となっております。

③賃金の月額が88,000円以上であること
※最低賃金の水準との関係も踏まえて変更なしとなりました。

月8.8万円の判定は基本給と諸手当で行われますが、残業代・賞与・臨時的な賃金等は含まれません。

(含まれない収入の例)

  • 臨時に支払われる賃金:結婚手当等
  • 1月を超える期間ごとに支払われる:賞与等
  • 時間外労働に対して支払われる賃金・休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金:賃金割増賃金等
  • 最低賃金において算入しないことを定める賃金:精皆勤手当・通勤手当及び家族手当

雇用期間が2か月越と見込まれること
実務上の取扱いの現状も踏まえてフルタイム等の被保険者と同じ様に2か月越の要件を適用することになりました。

※実際の勤務期間にかかわらず、基本的に下記のいずれかに当てはまれば1年以上見込みとして扱われます。

  • 就業規則、雇用契約書等その他書面において契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されている場合。
  • 同一の事業所において同様の雇用契約に基づき雇用されている者が更新等により1年以上雇用された実績がある場合。

(契約期間が1年未満で書面上更新可能性を示す記載がなく、更新の前例もない場合に限り適用除外になります。)

⑤学生でないこと
本格的就労の準備期間としての学生の位置づけ等も考慮して今回変更なしとなりました。

非適用業種(法定16業種以外の個人事業所は非適用)の見直し(令和4年10月1日施行開始)

現在、健康保険および厚生年金保険は法定16業種以外の個人事業所は対象外になっておりましたが、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業については他の業種と比べても法人にしている割合が著しく低いことや社会保険の事務能力等の面からの支障はないと考えられ、適用業種に変更になります。

よって下記の【新たに適用の対象となる10士業】に該当する個人事業所のうち、常時5人以上の従業員を雇用している事業所は、10月1日以降は健康保険および厚生年金保険の適用事業所になり、短時間労働者を社会保険に加入させる義務を負います。

<新たに適用の対象となる10士業>
弁護士・公認会計士・公証人・司法書士・土地家屋調査士・行政書士・海事代理士・税理士・社会保険労務士・弁理士

働き方はしっかり検討しましょう

パートやアルバイト・契約社員等で働く場合で社会保険の対象になると手取りは減ってしまう為、扶養の範囲内で働きたい方もいらっしゃるかもしれませんが、健康保険や厚生年金に加入することで将来の年金が増えたり、病気やけがで働けない場合に傷病手当金がもらえたり等メリットもあります。どちらも比べた上で自分の家計に合った働き方を検討してみてください。

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