医療保険の先進医療特約は必要?

医療保険の先進医療特約は必要?

医療保険やがん保険に特約としてついていることが多い先進医療に関する保障ですが、2020年(R2)年4月から保険金がもらえる機会が減っております。
保険の加入・見直しを検討している方はしっかり内容を確認して加入(見直し)をしましょう。

そもそも先進医療って?

先進医療は、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある最新の治療や手術となります。

特定の大学病院などで研究・開発された難病などの新しい治療や手術などは、ある程度実績を積んで確立されると厚生労働省に「先進医療」として認められます。その後先進医療として一定期間評価された結果、公的医療保険の対象となったり、対象から外れたりする為、先進医療の内容はその時々で変わってきます。

※診察料、検査料、投薬料、入院料などは公的医療保険が適用されますが、先進医療の技術料は公的医療保険の対象外の為全額自己負担になります。

※.厚生労働省に届け出た医療機関のみが先進医療となりますので、届け出されていない医療機関で同じ様な治療や手術・検査等をしても全額が自己負担となります。

※先進医療は技術ごとに対象となる症状等があらかじめ決まっていますので治療等を選ぶ際はしっかりと確認が必要になります。 先進医療は第2項先進医療(先進医療A)と第3項先進医療(先進医療B)の2種類に分かれており、対象となる技術の内容は以下のとおりです。

<第2項先進医療(先進医療A)>2021(R3)年4月1日時点:24種類
・未承認・適応外の医薬品・医療機器の使わない医療技術
※未承認・適応外の体外診断薬の医療技術等を使う場合は体への影響が極めて小さいものが対象

<第3項先進医療(先進医療B)>2021(R3)年4月1日時点:59種類
・未承認・適応外の医薬品・医療機器を使う医療技術
・未承認・適応外の医薬品・医療機器の使用を使わない医療技術の場合は他の事例の安全性・有効性を参考に、実施する環境・技術の効果等について特に重点的に観察・評価をしながら行われるものが対象

下記は中央社会保険医療協議会がそれぞれの年度に発表している“先進医療の実績報告”のうち第2項先進医療(先進医療A)の年間件数が多い上位5つの費用となります。

R1年度実績報告(H30年7月1日~令和1年6月30日)

R2年度実績報告(令和元年7月1日~令和2年6月30日)・R2.12.03資料



2020年(R2)4月からは2019(R1)に1番件数が多かった白内障の手術の一部が選定療養へと変更になりました。先進医療特約の契約時に一番受け取りやすい例として説明されていた方も多いかと思います。昨年から続くコロナウイルス等の影響も少しはあるかもしれませんが、白内障の手術の一部が先進医療から外れたことで実施医療機関や患者人数が大幅に減少しました。過去5年間の実績は下記のようになっております。

過去5年間の先進医療の実績

参照:中央社会保険医療協議会「令和2年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」

R1年度の実績報告で一番多かった白内障とは?

白内障は目の中にある「水晶体」と呼ばれるレンズの働きをする部分が何かの原因により白く濁ってしまう病気となります。白内障の原因の90%は加齢となっており、男性より女性の方がなりやすい病気といわれています。

厚生労働省の研究事業のうち“科学的根拠(evidence)に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究(H12~H14年度に実施)”の資料によると、あまり自覚症状のない初期段階を含めて50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代84~97%、80歳以上では100%かかる病気とされております。 白内障の治療は目薬で進行を遅らせることはできますが、ある程度進行してしまった場合は手術が必要となります。単焦点眼内レンズや多焦点眼内レンズを使う手術がよく行われます。このうち、先進医療とされていた多焦点眼内レンズを使用する手術が2020年3月末をもって対象から除外され選定療養になりました。

先進医療から選定療養に変更された理由

多焦点眼内レンズを使った手術が先進医療から除外された理由は、もともとの病気の治療ではなく、生活の質(QOL)を上げるための治療とみなされた為です。
※単焦点眼内レンズを使った手術は公的保険の適応の手術の為、1割~3割の自己負担で受けられます。

単焦点眼内レンズは遠方か近方のどちらにしか焦点を合わせられないものですが、多焦点眼内レンズは、遠方・近方の両方の2つの焦点に合わせることができたり、遠方と近方だけではなく、中間を含めた複数の箇所に焦点を合わせられるレンズがありあます。

多焦点眼内レンズにすれば白内障と老眼を一度に解消することができ眼鏡をかける頻度も減らせるため、先進医療特約が付いていたら便利な方を選びたいと思う方もいらっしゃったのではないでしょうか。

選定療養とはどのような制度か

選定療養は公的医療保険に加入している患者さんの希望がある場合に、追加費用を負担することで保険適用外の治療と保険適用の治療を併せて受けることができる医療サービスの1つです。

今回対象となった白内障の多焦点眼内レンズ代(それに伴う検査含む)以外にも、下記のものが対象になっています。

【選定療養の対象】
・ 特別の療養環境(差額ベッド)
・ 歯科の金合金等
・ 金属床総義歯
・ 予約診療
・ 時間外診療
・ 大病院の初診(200床以上)
・ 大病院の再診(200床以上)
・ 小児う蝕の指導管理
・ 180日以上の入院
・ 制限回数を超える医療行為

選定療養の医療負担について

選定療養にかかる費用負担分は「保険診療の自己負担分+差額代」となりますので公的医療保険の対象となる部分の自己負担は1割~3割となるのは先進医療でも選定療養でも同じです。

白内障の手術の場合の例

多焦点眼内レンズの代(追加検査代含む)が先進医療から除外されたことによって費用が増えたので将来、多焦点眼内レンズを選びたい方はしっかり貯蓄をしておきましょう。
※乱視が強い場合や眼圧に問題がある場合等含めて、その時の体の状態によっては希望をしていても選べないこともあります。
※多焦点レンズの種類によっては選定療養になっていないものもありますのでしっかり確認をしましょう。 ※便利そうな多焦点レンズにもデメリットはありますのでしっかりと確認をして検討しましょう。

先進医療特約の注意点

先進医療特約は医療保険やがん保険の特約としてついておりますが、がん保険についている先進医療特約はがんに関する先進医療のみの保障となりますので医療保険につけた場合の保障範囲の方が広くなります。
同じ保険会社で医療保険とがん保険で重複して先進医療の保障を付けることはできません。 1件当たりの先進医療費を見るとがんの治療に関する費用の方が高くなっておりますのでどちらにつけるのかを検討しましょう。
終身の医療保険に加入していても一定期間ごとに先進医療特約が更新される商品の場合は先進医療特約分の保険料が変更になりますので注意しましょう。

結局保障は必要?

がん等の治療が必要になり陽子線や重粒子線の治療を希望する場合は約300万前後の費用がかかりますので大きな負担になります。
月々の保険料に数百円程度の保険料をプラスするだけで特約に付加させることができるので付けていた方が万が一の場合は安心です。

先進医療保険特約も含めて自分に合った保険についてのご相談もお待ちしております。

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