自転車に関する保険の内容を確認しよう!

自転車に関する保険の内容を確認しよう!

今年も桜が咲いてますね。新しい年度が始まり忙しくお過ごしかと思いますが、気温差のある日が続いておりますので体調に気を付けてお過ごしください。

進学に伴ってお子様が自転車で通学したり、社会人の方でも地震の影響で自転車に乗る機会が増えた方等もいらっしゃるかと思います。

普段から自転車に乗っている方の場合はすでに知っている方も多いと思いますが、宮城県では自転車安全利用条例が制定され令和3年4月1日から施行されておりますので自転車に関する保険の内容も再度確認をしてみてください。

自転車安全利用条例ってなに?

自転車安全利用条例は自転車を安全に利用することを促すことで事故を防ぎ、安心して暮らすことができる地域社会の実現を目的として作られた制度です。

自転車利用者等の責務について明確化するとともに、自転車の損害賠償保険等への加入も義務化されています。

※仙台市では平成31年1月1日から仙台市自転車の安全利用に関する条例が施行開始となり、平成31年4月1日より自転車損害賠償保険等への加入が義務となりました。

自転車安全利用条例が作られた理由

自転車安全利用条例が作られた理由は、自転車は気軽に乗りやすい乗り物であっても道路交通法では自転車は車両の一種(軽車両)となり、死傷者を出す重大な事故につながる為となります。なお、法律違反をして事故を起こした場合は自転車利用者は刑事上の責任が問われますし、相手にケガを負わせた場合は民事上の損害賠償責任も発生します。刑事上と民事上の責任の違いは下記の通りです。

  • 刑事上の責任:相手を死傷させた場合は“重過失致死傷罪”に該当
  • 民事上の責任:被害者に対する損害賠償の責任が発生

自転車での加害事故の例

自転車事故でも被害の大きさにより数千万円の賠償金を支払わなくてはならない場合もあり賠償責任は未成年の場合も責任を負うことになります。

過去の加害事故例と損害額は下記の通りですが、判決認容額は裁判における判決文で加害者が支払いを命じられた概算金額の為、下記裁判後の上訴等により加害者が実際に支払う額とは違う可能性があります。

また、被害にあわれた方が後遺障害や死亡によって収入が得られなくなった場合は“逸失利益”が認められます。逸失利益の計算に使うライプニッツ係数というものがあるのですが、令和2年4月1日より民法の法定利率が5%から3%に変更になったことで、ライプニッツ係数も変更になり、結果として逸失利益として算出される金額が増えました。記載の内容と同じような事故だった場合でも記載の判決認容額概算よりも現在は高くなりますので参考としてご確認下さい。

(民法の法定利率は3年ごとに見直しが行われる為、次回令和5年4月1日も含めて今後もライプニッツ係数が変更になる可能性があります)

判決認容額概算(※) 事故の概要
9,521万円 <男子小学生(11歳)の事故> 夜間の帰宅途中に自転車で走行中に歩道と車道の区別のない道路で歩行中の女性(62歳)と正面衝突。相手の女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態になった。 (神戸地方裁判所、平成25(2013)年7月4日判決)
9,330万円 <男子高校生の事故> 夜間イヤホンで音楽を聞きながら無灯火で自転車を運転中にパトカーの追跡を受けて逃走し職務質問中の警察官(25歳)と衝突。相手の警察官は頭蓋骨骨折等で約2か月後に死亡した。 (高松高等裁判所、令和2(2020)年7月22日判決)
9,266万円 <男子高校生の事故> 昼間自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。相手の男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。 (東京地方裁判所、平成20(2008)年6月5日判決)
6,779万円 <男性の事故> 夕方ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。相手の女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。 (東京地方裁判所、平成15(2003)年9月30日判決)
5,438万円 <男性> 昼間に信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。相手の女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。 (東京地方裁判所、平成19(2007)年4月11日判決)

参照:日本損害保険協会HPより

加入が義務となった自転車の保険の種類

自転車の事故に関する保険は2種類あり、自転車の事故のみの補償である自転車保険か自転車事故の他にも日常生活における事故も補償対象になる個人賠償責任保険等があります。

※個人賠償責任保険は事故の相手の体や財産の為の保障が対象となりますので、自転車事故で自分がケガ等をした場合は自分のケガの保険(傷害保険)等を利用します。

自転車保険

自転車の運転中のケガで入院・通院した場合の自分の補償と、相手にケガを負わせてしまった場合の損害賠償に備えられる保険です。自転車保険の一般的な補償内容は下記の通りです。

自転車保険の一般的な補償内容

補償の種類 補償内容

死亡

保険の被保険者になっている人が交通事故で死亡した場合に死亡保険金がでる。

後遺障害

保険の被保険者になっている人が交通事故で後遺障害を負った場合に後遺障害保険金がでる。

入院・手術

保険の被保険者になっている人が交通事故でけがをして入院や手術をした場合に入院給付金・手術給付金がでる。

賠償責任

事故等で他人にけがをさせた場合や他人の物を壊して損害賠償責任を負った場合に賠償金等が補償される。(交通事故にかかわらず日常生活における事故で同様に補償される)

※補償の対象となる事故の種類については商品により違いがあります。

※保険の対象となる被保険者は個人型・家族型などがあります。

※自転車保険の傷害系の補償は、交通事故や自転車事故など対象となる事故を限定していることが多い為、通常のケガ等の傷害保険の代わりにはなりませんのでご注意下さい。

TSマーク付帯の保険

自転車を購入した際に、TSマークのシールを貼ってもらった方もいらっしゃるかもしれませんが、TSマークは自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付されるものです。 マークの種類は青と赤の2種類があり、このマークには傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)の補償が付いています。

補償内容

青色TSマーク

赤色TSマーク

賠償責任補償

死亡・重度後遺障害(1~7級)

1000万

1億

傷害補償

死亡・重度後遺障害(1~4級)

30万

100万

入院(15日以上)

1万

10万

被害者見舞金

入院(15日以上)

10万

保険期間は1年となり、再度更新したい場合は自転車を点検整備する必要がありますが、TSマークが貼り付けられた自転車についている保険の為、自転車に乗った家族だけでなく友人等の場合も補償の対象になります。

※対物損害は補償の対象外となり、自転車に搭乗中の事故に限定されます(示談代行サービスはついていません)。

※入院保険金や被害者見舞金は15日以上の入院に対して1回支払われます。

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険は事故等で他人にけがをさせた場合や他人の物を壊して損害賠償責任を負った場合に賠償金等が補償される保険ですが、買い物中に商品を壊した、飼い犬が他人に噛みついてケガをさせた場合なども補償されます。

※傷害保険、火災保険、自動車保険などの特約としてセットすることが多いですが、クレジットカードにもついていることがありますので確認をしてみましょう。

(特約の名称は保険会社ごとに異なる場合があるほか保険会社によっては取扱っていない場合があります。)

※共済や団体保険(会社等、PTAの保険等)の中で個人賠償責任保険を契約している場合もあり、(一財)交通安全協会の自転車会員が加入できる自転車事故による損害賠償のみが補償される保険もあります。

※業務で自転車を使用中に起こした事故は個人賠償責任保険では補償されませんので事業主が事業者用の賠償責任保険に加入する必要があります。

個人賠償責任保険の補償の対象になる人の範囲

一般的な個人賠償責任保険では下記の人が対象になり、一つの保険で親族が補償される保険となります。

  • 被保険者本人
  • 被保険者本人の配偶者
  • 被保険者本人または配偶者と生計を共にする同居の親族
  • 被保険者本人または配偶者と生計を共にする別居の未婚の子

個人賠償責任保険でも対象外の事故があります

個人賠償責任保険に加入をしていても補償されない場合があります。対象外となってしまう事故の例は下記に通りです。

<例>

  • 仕事中に起こった事故
  • 借りていたものを壊してしまった場合
  • 一緒に住む家族をケガさせたり、家族の物を壊してしまった場合
  • 故意やケンカによりケガをさせたり、物を壊してしまった場合
  • プライバシーの侵害など、形のないもの
  • 心神喪失が原因で他人にケガをさせたり、物を壊してしまった場合
  • 自動車、航空機、船舶などでの事故(専用の保険が存在するため)
  • 国外で起こった事故(保険会社によっては補償される場合もある)
  • 戦争やテロ、地震や噴火などの大規模な災害による損害

傷害保険

傷害保険は自分や家族の日常生活でのケガや身の回りのリスクに備える保険で、スポーツ中にケガをした、階段で転んでケガをした場合、ケガにより死亡した場合や、入院・通院した場合に保険金が支払われます。

※傷害保険は契約者のみの対象となる為、家族全員分の補償が欲しい場合は家族型等の契約が必要になります。

自転車の保険は自分に合ったものを選びましょう

自転車の事故にあわない事が一番ですが、自分が気を付けていても事故に巻き込まれてしまうこともあります。万が一事故があった場合でも焦らないように定期的に補償内容を確認しておきましょう。これから加入する場合は家族の状況等も含めて自分に合ったものを選びましょう。

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