【2021年1月】地震保険料の改定についてFPが解説

【2021年1月】地震保険料の改定についてFPが解説

新型コロナウイルス感染者の増加で宮城県独自の緊急事態宣言がでている中、先月に引き続き20日にも大きめの地震が発生しました。みなさまお怪我等ございませんでしたでしょうか? 津波警報で避難をしていた方、交通機関がストップして帰宅するのが大変だった方、停電していた方等いらっしゃるかと思いますが、どうしてもお子様の入学準備や転勤等移動が必要な時期でもありますし感染予防と余震に気を付けながらお過ごしください。

地震への備えとして日頃から、家具の固定、防災グッズ定期的な確認、連絡手段や避難場所を家族と相談する等対策をしている方も多いと思います。万が一の際にスムーズに行動できるように今一度加入している地震保険についても再度確認をしておきましょう。

地震保険のしくみ

地震保険は地震や火山の噴火・津波が原因で起きた火災・損壊・埋没・流失などが起きて建物や家財が損害を受けた時に当面の生活費をカバーしてくれる保険です。地震保険はそれ単体では加入できず火災保険とセットで加入しなければならないことを覚えておきましょう。

地震保険は「被災者の生活の安定に寄与すること」を目的として、国と民間の損害保険会社が共同で運営している保険です。そのため、どこの損害保険会社で契約しても保険料は同じです。地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で建物:5,000万円・家財:1,000万円までの上限があります。

※保険対象である建物および家財を収容する建物の構造、所在地により算出され、保険期間は短期、1年および長期(2年~5年)です。

※地震保険料は地震保険料控除として所得税(国税)が最高5万円、住民税(地方税)が最高2.5万を総所得金額等から控除できるようになっています。 なお、2021年1月に地震保険の保険料は改定になっている為、1月以降に更新をする方は保険料の値上げとなります。

東北・東京の地震保険料の目安

地域によって地震の危険性などが違う為、地震保険料にも違いがあります。 東北・東京では以下のように定められています。
※保険金額1,000万円あたり/保険期間1年 (単位:円)

都道府県 耐火 非耐火
青森県 7,400 12,300
岩手県 7,400 12,300
宮城県 11,800 21,200
秋田県 7,400 12,300
山形県 7,400 12,300
福島県 9,700 19,500
東京都 27,500 42,200

※割引制度として、「建築年割引」と「耐震等級割引」、「免震建築物割引」、「耐震診断割引」の4種類が設けられており、建築年または耐震性能により10%~50%の割引が適用されます(重複不可)。

地震保険の対象にならないもの

地震保険の対象は、居住の用に供する建物および家財(生活用動産)ですので、下記のものは対象外となります。

  • 工場、事務所専用の建物など住居として使用されない建物
  • 1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、通貨、有価証券(小切手、株券、商品券等)、預貯金証書、印紙、切手、自動車等は対象外

保険金が支払いされない主な損害等

  • 故意もしくは重大な過失または法令違反による損害
  • 地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害
  • 戦争、内乱などによる損害 ・地震等の際の紛失・盗難の場合

地震保険から支給される額

地震保険では、実際の損害額に応じて支給される額が決まるのではなく、損害の程度による4段階の損害区分にもとづいて決められます。そのため、保険の対象である建物または家財が全損、大半損、小半損、または一部損(※)となった時に決められた限度の保険金が支払われます。火災保険の対象が建物のみの場合は、家財の損害があっても建物のみの保険金となりますので証券で加入状況を確認しましょう。

※H29年1月の改定で、半損が大半損と小半損に分割され4区分に。

 

建物

家財

全損

地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)

大半損

地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)

小半損

地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)

一部損

地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)

全損、大半損、小半損、一部損の基準について

損害区分は、もともとは全損・半損・一部損の3区分でしたが、H29年1月の改定で、半損が大半損と小半損に分割されるかたちで4区分となりました。各損害区分の基準については以下の通りです。

<建物>

損害区分 基準
全損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の50%以上となった場合や焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上となった場合
大半損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の40%以上50%未満となった場合や焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の50%以上70%未満となった場合
小半損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の20%以上40%未満となった場合や焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の20%以上50%未満となった場合
一部損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の3%以上20%未満となった場合や建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmをこえる浸水を受け、建物の損害が全損・大半損・小半損に至らない場合

<家財>

損害区分 基準
全損 地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である
家財全体の時価額の80%以上となった場合
大半損 地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である
家財全体の時価額の60%以上80%未満となった場合
小半損 地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である
家財全体の時価額の30%以上60%未満となった場合
一部損 地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である
家財全体の時価額の10%以上30%未満となった場合

※賃貸の場合は家財のみの加入になります。

地震後は片付けの前に現状の記録を!

大きめの地震が収まって家の中で物が倒れたり、ずれたりしているとついつい片付けをしてしまうかと思います。地震後の状況は、損害を判定する上での大事な証拠となります。できるだけスマホ等で状況を撮影し記録をとるようにしましょう。地震保険では、家財は特にお皿が落ちて割れた、家電が倒れた、花瓶が倒れてカーテン等が汚れた、など家財の種類によって点数化された合計によって、損害の度合いを判断されます。自分では大した被害ではないと感じていても、一部損などの被害に該当する場合も。もちろん被害の状況にもよりますが、地震後は現状を記録することを忘れないようにしましょう。

地震保険に加入していない方は見直しをしましょう

火災保険の半額が地震保険の限度額になっているため、地震保険のみでは住宅の再建が出来るわけではありませんが、大きな地震が起こった場合は家財を新しく購入したり、引っ越し代がかかったり、住宅ローンの返済があったり、仮住まいの家賃が発生したりなど大きく費用もかかり貯蓄が大きく減る可能性もあります。ただでさえ気持ちが不安になりやすい時に大きく貯蓄が減ると不安もより大きくなりやすくなります。地震保険は火災保険に加入中に追加することもできますのでライフプランを実現する為にも万が一の準備をしておきましょう。

これから住宅を購入される方は、以下のハザードマップからどのような自然災害が想定されるのかをしっかりと確認してから購入を検討しましょう。

・国土交通省 ハザードマップポータルサイト:
https://disaportal.gsi.go.jp/

なお、文部省の地震本部(略称)のHPでは地震についてのパンフレットが対象別(一般・中高生・こども向け・など)に作成しています。

・文部省の地震本部(略称)HP:
https://www.jishin.go.jp/resource/pamphret/

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台風や地震に備えるための自動車保険見直しポイント
https://ligare-fp.com/info/insurance-20180911/

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