国の教育ローンと奨学金の違いを再確認しよう!

国の教育ローンと奨学金の違いを再確認しよう!

11月に入り街中ではクリスマスツリーなども飾られる時期ですね。気温も大分低くなってきておりますので体調に気を付けてお過ごしください。

年明けに受験を控えているお子様がいらっしゃる場合は塾代なども大きくかかってくる時期かと思いますが、受験する予定の学校に実際に進学した場合の合格後に支払う入学金・初年度前期の授業料(学費)等など必要な費用も早めに確認をしておきしょう。

本日は国の教育ローンについて令和3年・4年に変更があった部分も含めてのご説明です。

教育費はいくらかかる?

平均的な公立・私立それぞれの学費は下記の通りとなります。

高校・大学が私立の場合は家計の赤字になりやすい時期となります。お子様が複数人いる場合は特にお子様が小さな時期から計画的に貯蓄が出来る様に準備をしましょう。

 

公立

私立

幼稚園(3年)

約65万

約158万

小学校

約193万

約959万

中学校

約146万

約422万

高校

約137万

約290万

大学

約243万

約462万

大学院(2年)

約135万

約189万

※幼稚園・小学校・中学校・高校:文部科学省「子供の学費調査H30年」学校教育費・学校給食費・学校外活動費含む
※大学(公立):文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
※大学(私立)・大学院(私立):文部科学省「私立大学の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
※大学院:専門学位課程(法科大学院等)は含まれていない

国の教育ローンと奨学金(貸与型第二種)の違い

日本政策金融公庫の教育ローン(国の教育ローン)と日本学生支援機構の奨学金の違いは下記のとおりです。

項目

国の教育ローン

奨学金【JASSO・貸与型(第二種)】

利用者

親(扶養者)

本人

申込時期

いつでも可

奨学金申込みは学校を通じて行われる※在学校でのお問合せ(募集時期あり:高校3年生の4月下旬~7月頃)

申請から入金まで

必要時期の2~3カ月前がお申込みの目安

※一括受取(350万~450万)

申込締切月の2カ月後に初回の奨学金を振込み(在学採用時)

※毎月定額で分割受取(月額1万~12万)

利用制限

子どもが1人の場合世帯年収(所得)の上限額790万円(600万円)      ※子どもの人数に応じて100万ずつ引上げ

学力と家計による2つの基準あり

※4人世帯の場合の年収1250万(自営業892万)以内

融資対象

中学校卒業以上のお子さまの様々な学校が対象で幅広い用途に対応。

※修業年限6カ月以上(外国の教育施設は3カ月以上)が対象。ただし、大学等でも在籍する課程や学校教育法によらない学校は対象とならない場合あり。

大学院・大学(学部)、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)で学ぶ学生・生徒

金利

年2.25%

※固定金利・保証料は別途融資金から差し引かれる

年3.0%が上限(「利率固定方式」と「利率見直し方式」のいずれかを選択。

※R5年10月貸与終了の場合:固定約1.1%・変動:0.4%

 

※保証が機関保証の場合は保証料が別途毎月の奨学金から差し引きかれる

返済

借入の翌月から返済開始(在学期間中は利息金利のみのご返済とすることも可能)

※最長18年

在学中は返済不要

(利息の支払いも不要)

※最長20年

教育費が足りない場合はローンを組む等して準備をすることになります。

日本政策金融公庫の教育ローンは入学金、授業料のほか、受験料、受験のための交通費・宿泊費、パソコン購入費、自宅外通学の場合の住居費用、学生の国民年金保険料などにも使うことができますが、奨学金を利用する場合は奨学金を受け取るのは入学後になる為に、入学時に払うお金は他で借りて支払う必要が出てきますので注意をしましょう。

国の教育ローンも奨学金も保証人が必要となり、親族が保証人になれない場合は機関保証が利用できますが、機関保証の保証利用料が差し引かれての入金となります。

日本学生支援機構の奨学金と国の教育ローンは併用が可能です。 ※日本政策金融公庫の「令和2年度の教育費負担の実態調査結果」によると併用している方が49%・併用していない方が51%と半数の方が併用で利用をしております。

国の教育ローンの変更(令和3年・4年)

直近数年間の国の教育ローンの変更は下記の通りです。

<令和3年度の変更>

・受験費用(大学の受験料・受験のための交通費や宿泊費)として合格前でも利用可能に。

※①高校・高専・短大・大学など融資対象の学校に在籍していること②高校生が大学や専門学校を受験する場合の両方を満たしている場合に可能となりました。

<令和4年4月からの変更>

・返済期間が拡大

改正前は原則15年以内で返済となっており、優遇措置により「交通遺児家庭」「母子家庭」「父子家庭」「世帯年収200万円(所得 122万円)以内の方」または「扶養する子どもの人数が3人以上の世帯」は 18年以内の返済となっていましたが、令和4年4月1日より家庭の状況にかかわらず一律18年以内になりました。

・保証料の優遇の対象者と優遇割合が拡充された

※国の教育ローンでは連帯保証人(進学者・在学者の4親等以内の親族(進学者・在学者の配偶者を除く))による保証を利用する場合には保証料は必要ありませんが、連帯保証人がいない場合は、連帯保証人の代わりに公益財団法人の保証機関を利用し、保証料を払うことになります。

保証料には優遇があり、改正前は「交通遺児家庭」「母子家庭または父子家庭」の方は、通常の保証料の3分の2の額でした。

令和4年5月2日(融資分)から保証料の優遇の対象になる方と優遇の割合が拡充され、「扶養する子どもの人数が3人以上で世帯年収が500万円(所得356万円)以内の方」も対象となり、優遇割合が3分の2から2分の1へと変更になりました。

・金利優遇の対象になる方の追加

※令和4年4月1日より、金利優遇の対象となる方に「交通遺児家庭」が加わり、基準金利から0.4%低減されます。

学費は多くかかるつもりで準備をしましょう

子どもの教育費は人生の三大支出の一つとなります。学資保険で準備をしようと思っている方も多いと思いますが、高校・大学は受験があります。想定していた学費よりも多くかかる可能性もありますので、まずは私立の高校・大学に進学する想定をして貯蓄等をし、余裕がでた場合は老後に回すようにしましょう。

国の教育ローンも奨学金も返済が必要になります。利用する際は余裕をもって、しっかり返済額や返済年数まで確認をして老後の費用が不足しない様に借りすぎに注意をしながら申込をしましょう。

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