成人年齢18歳に引き下げに関する変更点と注意点

成人年齢18歳に引き下げに関する変更点と注意点

3月に入り昼間は少し暖かく感じる日も増えてきましたね。いよいよ花粉症の季節でもありますが、花粉症をお持ちでない方も年度末で気分も忙しくなる時期かと思いますので体調に気を付けてお過ごしください。

平成30年6月13日に民法の一部を改正する法律が成立した為、来月(令和4年4月1日)より民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げとなります。すでにご存じの方も多いとは思いますが、本日は注意点等も含めてご説明です。

成人年齢が18歳になった理由は?

一番最初に成年年齢が20歳とされたのは明治9年の太政官布告となります。その後旧民法や現在の民法が制定された際(明治29年年4月27日)も20歳と定められてきました。20歳と定められた理由ははっきりと明らかにはなっていないものの、旧民法を制定した当時の日本人の平均寿命が43歳だったことや、精神的な成熟度などを総合考慮したものであるといわれています。

公職選挙法の選挙権年齢が18歳と定められたり、国政上の重要な内容等の判断に関して18・19歳を大人として扱う政策が進められてきたこと、世界的にも成年年齢を18歳とすることが主流であることから今回の改正が行われました。

民法が定める成人の意味

民法の成人年齢の意味は一人で有効な契約をすることができる年齢と父母等の親権に服さなくなる年齢という2つの意味があります。

今回の改正で成人に該当する年齢は生年月日によって違い下記の通りとなります。

生年月日(成人になる年齢)

成人になる日

~2002年4月1日(20歳)

20歳の誕生日

2002年4月2日~2003年4月1日(19歳)

2022年4月1日

2003年4月2日~2004年4月1日(18歳)

2022年4月1日

2004年4月2日~(18歳)

18歳の誕生日

成人年齢の変更の影響は?

 成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることで18歳から出来る様になることと、今まで通り20歳以上から出来ることがあります。

18歳から可能なもの

  • 自分の住む場所や進学先や就職などの進路を自分で決められる
  • 親の同意がなくても様々な契約を締結できるようになる
    ※携帯電話の購入・クレジットカードの作成・自動車の購入・賃貸マンションの契約
  • 証券会社の口座開設・生命保険や損害保険の契約等
  • 10年有効パスポートが取得できるようになる
  • 公認会計士・司法書士・医師・薬剤師などの国家資格を取得できるようになる
  • 性別の取扱いの変更審判を受けられるようになる

なお、成年年齢を18歳に引き下げることと併せて、従来は男性18歳、女性16歳だった結婚可能年齢が男女とも18歳に統一されます。

引き続き20歳以上から可能なもの

  • 飲酒・喫煙
  • 公営ギャンブル(競馬・競輪・オートレース・競艇)の投票権や馬券の購入
  • 養親側として養子縁組をすることができる
  • 大型・中型自動車免許の取得ができる

契約等についての注意点

未成年者は契約をする場合には親の同意が必要となり、未成年者が親の同意を得ずに契約した場合には民法で定められた「未成年者取消権」によってその契約を取り消すことができます。この未成年者取消権は未成年者を保護するための制度で未成年者の消費者被害を抑止する役割も果たしています。

令和4年の4月1日以降は18歳19歳で成年になった場合には親の同意がなくても自分で契約ができるようになる為、今までの様に親が取り消すことができなくなります。契約を結ぶかどうかを決める事が可能になる代わりにその契約に対して責任を負うのも本人になりますのでしっかり契約書を読んで契約することが大切です。

クレジットカードやカードローンについての注意点

成人年齢の引き下げでご両親が心配なことの一つにクレジットカードの作成やカードローンの利用に関すること等があるかと思いますが、大手銀行のカードローンについては20歳以上が利用可能とする現在の条件を維持する方針であり、クレジット会社も会社によっては学生のうちは成年になっても親の同意を必要としている場合もあります。

※18歳以上であっても原則として高校生はクレジットカードを持つことができないとしているクレジット会社が多くなりそうです。

※カードローンやクレジットカードはパート・アルバイトでも契約することは可能ですが審査で返済能力が十分と判断されるかは分かりません。民法上では18~19歳でカードを作れるようになったとしても、実際には返済能力や信用力が不足していると判断され結局は審査を通過できないことも考えられますので、心配しすぎずに今のうちから利用の仕方や仕組み等を親子で話し合っておく期間に使うのも一つかと思います。

NISA・ジュニアNISAについての変更点

NISA口座は毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から利益があった場合に非課税になる制度ですが、今回の成人年齢引き下げに対応して令和5年1月1日より18歳からNISA口座を開設できる様になります。

※令和5年1月1日からNISA口座が開設できる対象者は口座を開設する年の1月1日に18歳を迎えている人となります。

ジュニアNISAもNISA口座と同じ様に毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から利益があった場合に非課税になる制度ですが、親権者や二親等以内の親族である祖父母等が未成年の代理で運用する制度になります。今回の成人年齢引き下げに対応してジュニアNISA対象年齢も20歳未満から18歳未満へと変更となります。

※ジュニアNISAの制度は令和5年に廃止となりますが、令和5年の制度終了時点で18歳になっていない方については各年ごと18歳になるまでに非課税期間(5年間)の終了した金融商品を継続管理勘定に移管(ロールオーバー)することができます。

※ジュニアNISAの引き出しはお子様が3月31日時点で18歳である年の前年の12月末まで制限がされていて、災害等やむを得ない場合には非課税で引き出しができる制度となっておりますが、令和6年以降は災害等やむを得ない場合に該当しない場合でも全額を非課税で払出しが可能になります。

成人年齢の引き下げ期間は準備期間として経験を積もう!

成人年齢が下がることで色々なことが経験できる様になり選択肢が増えることになります。

本格的に自由にお金が使えるのは今までと同じで社会人になってからとなりそうですが、社会人になってすぐにお金を上手に使える様になるわけではありません。

ご両親や周りの人に相談しながらでも自分で考えて契約をすることで、失敗することもあるかと思いますが、小さく失敗をしながらお金の使い方の癖を把握して将来上手にお金を使う準備期間にしてみてはいかがでしょうか。

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