再就職に関する雇用保険の給付とその他の変更点

再就職に関する雇用保険の給付とその他の変更点

雇用保険の支給限度額は令和3年の2月に訂正された部分がありましたが、令和3年8月1日から雇用保険の賃金日額や基本手当日額等が変更になっております。
支給限度額等の今回の変更は令和2年度の平均給与額が前年度と比べて約1.22%下がったことと、最低賃金日額の変更によって変更になりました。
育児休業給付の要件も一部9月1日から変更になっておりますので、本日は雇用保険の制度のうち以前ご紹介していなかった再就職に関する給付と合わせてご説明です。
緊急事態宣言中でありますが、コロナウイルスの影響で失業・転職する可能性のある方や出産を控えている方・育児や介護で仕事を休む予定の方もいらっしゃるかと思いますので再度確認をしておきましょう。

雇用保険の給付の内容については長くなってしまう為、下記の記事でご確認ください。
・2021年に変更になった雇用保険と雇用の制度

再就職に関する雇用保険の手当(就業促進手当)

就業促進手当は失業手当の給付日数を1/3以上残して就職した場合に支給される手当となり、再就職手当、就業促進定着手当・就業手当・常用就職支度手当などの種類があります。

まずはそれぞれの就業促進手当の内容と給付額のご紹介です。

・再就職手当

失業保険の基本手当の受給資格の決定をうけた後に早期に安定した職業についたり、事業を開始した場合に支給することにより、より早期に再就職を促進する為の制度です。

<支給される額>

就職等をする前日までの失業保険の認定を受けた後の基本手当の残りの日数によって支給される給付率が違います。
・2/3以上残して早期に再就職した場合:基本手当の支給残日数の70%相当額
・1/3以上残して早期に再就職した場合:基本手当の支給残日数の60%相当額

※離職した会社に再就職する場合や離職した会社と密接な関係のある会社に就職した場合は対象外です。
※新しい就職先に1年を超えて勤務することが確実な場合で雇用保険に加入が必要になります。
※給付制限期間(失業保険を受け取り始めるまでの期間)が1ヶ月以内の就業の場合は、ハローワークの紹介で就職している場合となります。
※過去3年以内の就職で再就職手当または常用就職支度手当を受けた場合、事業開始による再就職の再就職当を受け取っている場合は対象外です。
※失業保険の受給資格決定(求職申込)前から採用が内定していた場合は対象外となります。

・就業促進定着手当

再就職手当を受け取った方が再就職した先で6か月以上雇用された場合、再就職先での給与の6か月間の額が利息前の賃金より安かった場合は“就業促進定着手当”を受け取ることができます。

<受給額>
離職前の賃金日額-再就職後6か月の賃金の1日の額)×再就職後6か月の賃金の支払いの基礎となった日数
※支払いの基礎となった日数は月給の場合30日や31日となります。

・就業手当

1年以上の雇用でもらえるのが再就職手当ですが、1年未満の雇用だった場合で一定の条件を満たす場合は就業手当が受け取れます。

※失業手当が受取れる日数が、3分の1以上45日以上残っている場合
※7日の給付制限期間が過ぎている場合となります。
※事業を開始した場合は受け取れません。
※失業保険の受給資格決定(求職申込)前から採用が内定していた場合は対象外となります。

<支給される額>
失業保険の1日の日額×30%の額が受け取れます。

・常用就職支度手当

失業保険を受給している間に障害がある等で就職が難しい方が常用就職をした場合に支給される手当となりますが、だれでも受け取れるわけではなく下記の要因や要件に該当する必要があります。(要因や要件に該当した場合でも認められない場合もあります)

<対象になる方>
・身体障害・知的障害・精神障害をおもちの方
・就職日時点で45歳以上の雇用保険の受給資格者で雇用対策法に基づく再就職援助計画の対象労働者
・就職日時点で45歳以上の方で雇用保険の日雇労働被保険者として働くことを常態としている方。
・通年雇用安定給付金の支給対象となる指定地域内に所在する事業所に通年雇用される方で季節的に雇用された特例受給支給者。
・高齢者雇用安定法に基づく求職活動支援書等の対象となる定年又は継続雇用制度がある場合で離職する60歳以上65歳未満の者

<支給要件>
・ハローワーク等の紹介により1年以上雇用されることが確実であると認められる職業に就く場合。
・離職した会社に再就職する場合は対象外です。
・待期期間が経過した後に就職した場合。
・給付制限期間が経過した後に就職した場合。
・常用就職支度手当を支給することで職業安定に役立つと認められた場合。

<支給額>
・支給残日数が45日以上:基本手当日額×90日×30%
・支給残日数が45日未満:基本手当日額×45日×30%

就業促進手当が計算される基本日額や就業手当の1日あたりの支給額の上限も8月1日から変更になっています。

失業保険の上限額と下限額の変更(令和3年8月1日~)

令和3年8月1日以降分の変更された金額は下記の図の通りとなります。
上限額はすべての年齢で引き下げとなりましたが下限はすべての年齢で上がっています。

<賃金日額と基本日額の上限>

(例)29歳で賃金日額が17,000円の方は上限額が適用となりますので1日あたりの支給額は基本日額の上限6,760円となります。

<賃金日額と基本日額の下限>

厚生労働省・リーフレット(雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和3年8月1日~)

育児休業給付の上限変更と要件の変更(令和3年8月1日~)

児休業給付の上限は下記の通り変更となっております。

<支給限度額(上限)>

支給率67%:305,721円 → 301,902円(R3.8.1~)
支給率50%:228,150円 → 225,300円(R3.8.1~)

なお、育児休業給付については令和3年9月1日から被保険者期間の要件が一部変更になっております。変更になった部分は下記の通りです。

<~令和3年8月31日(変更前)>

育児休業開始日を起算日としてその日以前2年間に就労日数が11日以上ある日が1年以上必要。

<令和3年9月1日~(変更後)>

今までの条件を満たさない場合でも、産前休業開始日を起算日としてその日以前2年間に就労日数が11日以上ある日が1年以上ある場合は育児休業給付の支給にかかる被保険者期間の要件を満たしたことにしてくれるようになりました。

厚生労働省・リーフレット(育児休業給付に関する被保険者期間の要件を一部変更します)

介護休業給付の上限変更(令和3年8月1日~)

介護休業給付の上限は下記の通り変更となっております。
支給限度額(上限):336,474円 → 332,253円(R3.8.1~)

高年齢雇用継続給付の上限・下限の変更(令和3年8月1日~)

高年齢雇用継続給付と60歳到達時の賃金の上限額・下限額の変更とは下記の通り変更となっており、失業保険の給付と同じように上限額は減額、下限額は多少増額となっております。

厚生労働省・リーフレット
(支給限度額が変更になります~令和3年8月1日~(高齢者雇用継続給付・育児休業給付・介護休業給付))

上限額が変更になっていることで給付額が減ってしまう方もいらしゃるかと思いますが、支出を確認しながら家計を管理していただければと思います。
家計の見直し点について気になっている方はお気軽にご相談お待ちしております。

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