消費者契約法が改正に(令和5年6月1日~)

消費者契約法が改正に(令和5年6月1日~)

もう少しで今年も半分が終わりますね。なかなか治らない風邪も流行っている様ですし、梅雨に入る時期になってきましたので体調に気を付けてお過ごしください。

今回は令和5年6月1日に改正消費者契約法が施行されましたのでそのご説明です。
今回改正になった背景は超高齢社会の進展やコロナ禍でオンライン取引が急拡大したこと、18歳になった成人は親の同意なしに単独で契約を行えるようになったこと等があります。

消費者契約法とは

消費者契約法は契約締結時の消費者の利益を守るために施行された法律です。消費者と事業者の間には持っている情報の質や量や交渉力に格差がある為、消費者が企業に対して不利な状況に陥ることを防止するために不当な勧誘による契約の取消や、不当な契約条項の無効などが規定されています。

消費者契約法のこれまでの改正

  • 平成13年4月1日に消費者契約法が施行。
  • 平成18年の法改正により消費者団体訴訟制度が導入され平成19年6月より運用。
  • 平成20年の法改正で消費者団体訴訟制度の対象が景品表示法と特定商取引法に拡大。
  • 平成25年の法改正で食品表示法に拡大。
  • 平成28年、30年、令和4年に民事ルールの改正。
    ※取消しできる不当な勧誘行為の追加、無効となる不当な契約条項の追加等の追加。
  • 令和5年1月5日に霊感商法に関する改正消費者契約法が施行。

改正消費者契約法の変更点①:契約の取消権を追加

改正前の消費者契約法では事業者から事実と異なることを伝えられた場合や消費者の不利益な事実を伝えられなかった場合等に契約を取り消せると定められていましたが、今回の改正でさらに具体的なケースが追加されました。

(具体例)

  • 勧誘を伝えずに退去が難しい場所へ同行し勧誘される
  • 威迫する言動で相談の連絡を妨害される
  • 契約前に目的物の現状を変えられて、原状回復を極めて困難にされる

改正消費者契約法の変更点②:解約料の説明が努力義務化

もともと契約解除に伴う損害賠償や違約金の金額について「平均的な損害」の額を超える部分を無効とすることが定められていますが、解除料の値段が適正であるかどうかについて多くの場合消費者は情報が不足していて判断できない為、消費者が事業者に説明を求められるように規定が追加されました。

事業者は算定の根拠として、算定式・考慮事項・金額が適正かどうかの根拠などの提示が必要となり、努力義務として下記の消費者への解約料に関する説明が追加されます。

  • 消費者への算定根拠の概要説明
  • 適格消費者団体に対し算定根拠の説明

改正消費者契約法の変更点③:免責範囲が不明確な条項は無効

もともと事業者がやるべきことを契約どおりにやらなかったこと(債務不履行)や不法行為によって消費者に損害が生じたにもかかわらず事業者が損害賠償責任を負わないとする条項は無効とされていますが、改正によって“賠償請求を困難にする不明確な一部免責条項は無効”という条項が新設されました。

※軽過失に限っては事業者の損害賠償責任の一部を免除する条項を盛り込むことが認められていますが、「法令に反しない限り」といった文章では軽過失の場合に適用される条項であることが不明確の為、軽過失による行為にのみ適用されることを明らかにしていない一部免責条項は無効とされることになりました。

(“軽過失の場合は〇万円を上限として賠償します”という文章の場合は有効)

改正消費者契約法の変更点④:事業者の努力義務が拡大

今回の法改正で事業者に対して下記のような努力義務が課されることになります。

<契約締結時に加えて解除時にも努力義務を導入>

  • 解除権行使に必要な情報提供
  • 解約料の算定根拠の概要説明

<勧誘時の情報提供>

  • 消費者の知識・経験・年齢・心身の状態なども総合的に考慮した情報提供

※知ることができたものに限って消費者の特性に応じて異なる説明をする様に努力義務が設けられた。

<定型約款の表示請求権に関する情報提供>

※事業者側が一方的に定めた約款に消費者が同意する形で契約が締結されているような不特定多数の相手と同じ内容で取引を行う際に用いる約款が定型約款です。事業者がその定型約款を契約の内容とする旨をあらかじめ表示し、消費者がこれに合意することで、定型約款が契約の内容となります。

今回の改正では下記のどちらかの措置をとることとされました。

  • 消費者がその定型約款の内容を容易に知り得る状態に置く措置を講じること
  • 定型約款の内容を示すよう消費者が請求するために必要な情報を提供すること

<適格消費者団体の要請に対応>

  • 不当条項と疑われる契約条項の開示要請
  • 解約料の算定根拠の説明要請に応じる努力義務
  • 差止請求を受けて行った措置の開示要請

※消費者被害は同じような種類の被害が多数の消費者に生じる特徴がある為未然の防止、拡大の防止のために消費者団体訴訟制度(差止請求)があります。差止請求は適格消費者団体が事業者の不当な行為をやめる様に求めることが出来る制度です。

何か契約をする時はしっかり確認をしよう

何か契約・購入をする場合は大切なことが細かい字で書かれていたりすることも多いのでしっかり契約書等を確認する事が大切になります。検討する時間があまりない場合もあるかもしれませんが、迷った時は一度冷静に検討する時間を持つことも大切です。自分でよく分からない商品やサービスの契約・購入をしないことも心がけましょう。もし契約してしまってから契約内容がおかしいことに気づいたら諦めずにまずは相談をしてみましょう。

<相談先>

消費者ホットライン
電話番号:188 ※近くの地方自治体の消費生活相談窓口を案内してもらえます。

もっと詳しく制度を知りたい方はこちら

・消費者庁HP:「知っていますか?消費者契約法-早分かり!消費者契約法-」(令和5年3月)[PDF:2.2MB]

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